MGBシリーズの車種記号解説
(「original MGB」による)
MGBの車種記号(シリアル・ナンバーまたはカー・ナンバーまたはシャーシィ・ナンバーとも呼ばれる)は、エンジンルーム内にあるが、UB2北米/日本仕様の場合は左ドア・シルとダッシュボード上ウィンドシールド付根部にも付けられている。特にダッシュボード上のプレートは防犯上車外から見えるように義務付けられたものである。
MGBにはこのシリアル・ナンバー以外にもエンジンやボディにそれぞれ独自のナンバーが与えられているが、シリアル・プレートに記載されたこのナンバーが車両全体の個体識別記号として最も重要なものである。
そのシリアル・ナンバーに記載されている記号には文字ごとに意味が与えられているが、18年間のMGBの生産期間の間でモデルや年式によって細かい差がある。
1.MGBの場合
例:G-HN5UL123456G
G:MG
H:1400cc〜2000ccエンジン搭載(=B型エンジン)
N:トゥアラー(「D」:GT)
5:Mk.3(MGA1600:「1」/MGA1600Mk2:「2」/MGB Mk1:「3」/MGB Mk2:「4」)
これに続いてアルファベット文字が1つまたは2つ付けられている場合があるが、年式や仕向地によって違いがある。
1967年までは全ての左ハンドル仕様に「L」が付けられていたが、程なく北米仕様は独自に「U」が与えられるようになり、「L」は「北米以外の左ハンドル仕様」を指すようになるが1969年には使用されなくなる。
U:北米仕様(「L」:左ハンドル)
1970年〜1979年モデル(=1969年秋〜1979年秋生産)の北米仕様においては
1970年モデル「A」〜1979年モデル「L」までのアルファベットが「U」と組み合わされる。
A:1970年/B:1971年/C:1972年/D:1973年/E:1974年/F:1975年/G:1976年/H:1977年/(I:欠番)/J:1978年/(K:欠番)/L:1979〜1980年
これに続く6桁の数字は通しの生産番号である。
(6桁数字):通し生産番号
最後のアルファベットは生産工場を示しているが、MGの場合はアビンドン工場しかないので1種類に限定される(1967年より付与)。
G:アビンドン工場製
上記の記号付与規則に従ったシリアル・ナンバーの例を幾つか挙げる。
G-HN5UL123456G=MGBトゥアラーMk.3北米仕様1979/1980年モデル
G-HD4
123456G=MGB/GT Mk.2右ハンドル仕様
2.MGCの場合
例:G-CN1L1234G
G:MG
C:3000ccエンジン搭載(=C型エンジン)
N:トゥアラー(「D」:GT)
1:第1シリーズ
L:左ハンドル仕様(北米仕様を含む)
(4桁数字):通し生産番号
G:アビンドン工場製
3.MGB/GT V8の場合
例:G-D2D1 1234G
G:MG
D:3000cc超エンジン搭載(=ローヴァV8エンジン)
2D:2ドアクーペ(=GT)
1:右ハンドル仕様(「2」:左ハンドル仕様)
(4桁数字):通し生産番号
G:アビンドン工場製
4.RV8の場合
例:SARRAWBMBMG0001234
S:地理的配置(=南)
A:生産国(=英国)
R:製造業者(=ローヴァ)
RA:モデル
W:クラス
B:ボディ
M:エンジン
B:変速機/ステアリング
M:モデルチェンジ゙
G:組立工場(=カウレィ)
(7桁数字):通し生産番号
補遺:日本における車検証標記 ※本稿は島津繁一様/まるやまかつみ様の情報に基づきます
日本正規輸入車については、本来のシリアルナンバーとは異なる車体番号が与えられている。逆に車検証を見て、下記の標記に従っていれば正規輸入車であることが分かる。
例:18GB1234N
18:1800t
G:MG
B:MGB ※1974年登録以降は「H」
(4桁数字):通し登録番号※正規販売店ごと
N:正規販売会社記号(N:日英自動車【札幌・東京】/KA:関西オート【大阪】/U:ユニバーサルモーター【名古屋】/LJまたはLS:日本レイランド その他正規販売会社としては黒崎内燃機工業【東京】/英商モータース【横浜】/四国日英自動車商会【高松】/ミナミ小型自動車【広島】/宮田自動車商会【札幌】 なお正規輸入代理店はドッドウェル・モータース)